ニッケイ新聞 2007年12月20日付け
Anatel(国家電話庁)は十八日、第三世代(3G)携帯電話といわれるインターネットの瞬間接続が可能な多機能つきサービスの営業権に対する入札を行ったところ、入札価格の二七四%に上る指値が提示されたとフォーリャ紙が報じた。Anatelは当初、指値を二五%とし思惑外れのため一〇〇%へ訂正した。時代誤認が明白なことで、入札を仕切り直しとした。入札の参加企業は、VivoやOi、TIM、Claro,Nextelなど。
時代の激変は驚くばかりだ。ブラジルの携帯市場へ寄せる関係企業の貪欲な進出意欲は、眼を見張るものがある。
入札初日の十八日、対象地域はリオデジャネイロ州とエスピリット・サント州、バイア州、セルジッペ州の四州であった。注目のサンパウロ州を中心とするブラジル最大の激戦地は、十九日入札を行う予定。
入札に注ぐ関係企業の熱い眼差しには、政府機関ばかりでなく業界関係者も驚いた。この熾烈な営業権獲得競争を煽ったのは、Nextelの存在らしい。Nextelは現在、ブラジルで百十八万七千人の顧客を抱え、組合形式で穏やかに営業をしている。
さらにその背後には、モトローラのような大資本が控えているものと思える。各社が提示した指値は、Vivoが八九・六%上乗せ、Oiが九〇・五%、TIMが二二二・六%、Claroが二七三・九%であった。入札を終了したのは、南伯と中央西部、トカンチンス州、ロンドニア州、アクレ州。Vivoが指値一三二・二%で落札したのみであった。
VivoとClaroは
一月末、州によってネットがあるところへブロード・バンドやラップ・トップ用プレート、モーデン提供、携帯へ瞬時接続のインターネット提供、音楽やビデオのダンロード、ガイド・オンライン、デジタル・テレビ、文字から音声へ吹き替える多機能サービスを提供するという。
入札へさらに多数の企業が参加すれば、電話料金は値下げされる可能性があるとAnatelがいう。電話の使用が会話だけで、多機能があっても活用を知らない宝の持ち腐れ組があるからだ。ブラジルは、プリペイド 電話の出現と3G時代で二つの大きな時代の波を迎えたといえる。