ニッケイ新聞 2007年12月21日付け
第二十二回国民文化祭とくしま2007」文芸祭俳句大会(徳島県東みよし町開催)俳句部門のブラジル関係入選作品がわかった。応募者総数延べ二千四百二十人(ブラジル関係百四十二人)、応募句数八千六百五十八句(同八百八句)であった。
◇入選
クリスマスイブに煮しめを抱いて行く 山口 ふみ
幻の邪馬台国や月朧
前田 昌弘
山姥と言われもするが草を引く 前田 昌弘
二の腕の蚊は刺しやすき逃げやすき 真藤 浩子
大いなる太陽のもと薬掘る
伊津野 静
移住地に残る竹林蛍飛ぶ
畠山てるえ
日本語とポ語のじゃんけん小春かな 佐藤けい子
ブラジルに小さき菫咲きにけり 鈴木 文子
左より右手いと老い木の葉髪 小斎 棹子
金賞のとなりの菊を誰も見ず 広田 ユキ
開拓の小屋は壊せず苔の花
里 晋平
五十年住んでも異国桃の花
井上 人栄
寒紅をさして女の意地通す
井上 人栄
アンデスを越ゆる機窓に鷹澄める 坂本美代子
越えて来し移民の山河月まどか 坂本美代子
出稼ぎの子へ陰膳や星まつり 湯田南山子
初時雨牛千頭の背を渡る
秋枝つね子
移住祭百年気骨失はず
小西 成子
墓碑の名は幼子ばかり冬日果つ 浜田 一穴
暁紅のアマゾン川の布袋草
青木 駿浪
太箸や洗礼名の吾子四人
西山ひろ子