ニッケイ新聞 2007年12月22日付け
二十日にリオでもたれた勤続年限保障基金(FGTS)の管財委員会で、来年度の投資枠が決められた。
二〇〇八年の投資額は二〇〇七年の投資額を五〇%以上上回る一七〇億レアルで、そのうち三〇億レアルは住宅ローン、五〇億レアルは経済活性化計画(PAC)に振り当てられる。
二十一日付けエスタード紙によれば、住宅ローンについては、地域毎に購入家屋価格と家族収入の上限、返済金利が違う。連邦直轄区とサンパウロ市、リオ市近郊の場合、一三万レアルまでの家屋を対象に貸し付け、収入の上限は四九〇〇レアルまで認められる。前記二市を除く南東部と南部の州都では家屋の上限価格が一〇万レアル、それ以外の地域では家屋の上限価格は八万レアルで、収入の上限も三九〇〇レアルとなる。この場合の金利は八・一六%、それに手数料がかかる。
また、FGTS会員向け予算(一〇億レアル)適用の場合、家屋の上限価格は三五万までとなり、収入上限は無くなる。この場合の金利は八・六六%。さらに、最低賃金五つ以下の低所得家族向け補助金に一二億レアルが計上された。
一方、PAC向けの五〇億レアルについては、エネルギー、衛生施設、公共交通関係などに振り当てられるが、二十一日付けフォーリャ紙によれば、基礎衛生部門には一四億五〇〇〇万レアルが割当てられているという。また、交通関係は高速道路や鉄道、港などが対象で、公共、民営双方で五億五〇〇〇万~一〇億レアルが当てられる見込み。労働組合連盟では、公共交通部門などのインフラへの投資確定で、高速道路や鉄道、港湾関係の改善が期待できるとしている。
なお、この投資枠は暫定的で、州毎の割り当て額は提出される計画により左右される。また、二十日付けフォーリャ・オンラインによれば、FGTS全体の収入如何によっては投資額増額の可能性もあるという。
エスタード紙には最近の建築・購入ブームで、銀行関係の融資申込みは一二万から一三万レアルの家屋を対象としたものが多く、住宅ローンの必要を満たすためには二八〇〇億レアルが必要だと報じられた。