ニッケイ新聞 2007年12月22日付け
名画盗難の報は日本にも流れ、NHKで見たという人も多いのではと思うが、ブラジルは芸術品の盗難は世界第四位という。国際犯罪警察に登録された文化遺産の盗難は約一〇年で九三三件。今回の事件は含まない数字だが、事件でショックを受けた人も多い。
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託児所の長期休暇を決めていたサンパウロ市で、父兄からの苦情が続き、市当局が決定を覆した。一四万八〇〇〇人に及ぶ児童の家庭では、他に預けることができる人がいないという家庭も多く、問題になっていたが、各地域や家庭の事情に応じ、託児所ごとの対応を決める。仕事に行けなくなるなど、頭を抱えていた家族には朗報。
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二十日、サンパウロ州グアルーリョス市のスラムで火事が起き、三〇棟を焼失。何十組もの家族が焼け出された。けが人は無かったが、火の回りが早くて何も持ち出せなかった人も多い。また、ペルナンブコ州ジャボタン・ドス・グアララペス市では、朝七時ごろ、集合住宅の壁が七〇センチも沈下。四階建て一六棟が四ブロックに分かれているが、Bブロックでは建物の入り口も崩れた。全棟の住民に避難命令が出たが、クリスマスに住居が無いのはキリストだけではなくなった。
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サンフランシスコ川の工事に反対してハンストを行っていたカピオ司教は、最高裁判決当日に倒れ、集中治療室で治療を受けていたが、二十日に行われたソブラジーニョでのミサに車椅子で出席。ハンストは中止するが、これからも戦っていくと。ミサ終了時に種で一杯の籠を前に祈り、信奉者たちに種を配った後、病院に戻った司教だが、自然や命を守るための最善の方法は何なのだろうかと問い返される。