ニッケイ新聞 2007年12月22日付け
サンパウロ日伯援護協会(森口イナシオ会長)は二十一日、定例理事会を開き、援協福祉センター建設事業について、日系の建設施工会社三社に、規模を縮小したセンターの新たな設計書に対する建設費の見積もりを、新たに提出するよう求める考えを明らかにした。来年一月初旬に設計会社の担当者を交えて各社と打ち合わせを行う予定。森口会長は「当初の設計案よりも規模を縮小し、援協の身の丈にあったものになった。建設費用も現実的なものに落ち着くのでは」と話している。
理事会後、センター建設委員会の臨時会議が開かれ、森口会長はセンターの規模縮小の詳細を理事らに説明。当初予定していた地下三階の設計を地下二階半に減らす、外壁をシンプルなものする、屋上にあたる五階部分の屋根をなくす、などと、設計書を見直している旨を明らかにした。
この新たな設計書をもとに、来年一月七日、戸田建設、吉井建設、HOSS三社の担当者と打ち合わせし、見積もり書の提出を依頼する考え。
同委員会はすでに当初の設計書により、戸田建設の〃落札〃を決めていたが、後日、「建設費がまだ手に負えない金額」として、同社とのデスコントの交渉をすすめた。しかし、交渉は予想よりも進展しなかったため、設計書の見直しをおこない、同社を含めて改めて施工会社を選定する運びになったという。
また会議では、センター建設資金として、来年度の日伯友好病院の収益から二百万レアルを新たに加えると発表した。援協はセンター建設費として、今年度(〇七年度)の事業予算に、神内医療福祉基金と友好病院の収益から六百万レを用意しているが、これにより、約八百万レの建設費を自前で工面できることになった。
当初の設計書では、各建設会社が提出した見積もり額は、内部の内装費や医療機器代などを除いて、最低でも一千万レアル以上。新たな設計書による見積もりでは、二百万から三百万レアルは減るのでは、と関係者は見ている。森口会長は「手持ちの建設費前後に落ち着けば」と説明する。
戸田建設に施工会社を一度決めたとしながら再度、施工会社の選定をおこなうことに関して、森口会長は「あれは第一交渉を戸田建設としたという意味だった。ただ頭を下げなくてはいけないこと」とした。他の関係者も「この手続きの順序は問題があるのは十分承知している。戸田建設には施工会社の再選定に了承してもらっている」と話している。