ニッケイ新聞 2007年12月25日付け
【静岡新聞】重病に苦しむブラジル人の子どもたちを救おう―。浜松市を中心にチャリティーイベントなどを企画する日系ブラジル人のエジナ本田さん(48)=同市東区=が、心筋症や白血病など治療に多額の費用が掛かる病と闘っているブラジル人の子ども三人の治療費を集めるため、クリスマスフェスティバルを開く。エジナさんは闘病生活を続ける三人に「少しでも楽しいクリスマスと新年を」とフェスティバルに願いを込める。
支援を受ける児童の一人は、肥大型心筋症を患うジュオン・グスタボ君(1つ)=菊川市=。浜松市東区の浜松医大病院に五―十月の間、入院した。エジナさんは入院中にチャリティービンゴ大会を行い、金銭面で援助した。母のカリナさんは「治療費には県の補助が出たが、付き添いのベッド代や食事代はチャリティーの支援で助かりました」と喜ぶ。「ブラジル人は病気に掛かると医療制度の無知や言葉の不安からすぐ帰国を考える。日本で治療できるようにしてあげたい」とエジナさん。皮膚や関節の病で、ブラジルに帰国して治療するジャケリーネちゃん(10)と、白血病と闘うカロリーナさん(15)も支援する。
十六年前に来日して以来、エジナさんは多くのイベントを手掛けたが、資金集めは苦労の連続。「外国人だけのイベントを計画すると、日本企業や地元の人に理解されないことも多い」と嘆く。
エジナさんが今回のために自ら集めた協賛企業は国内外で約百社に上る。ブラジル人経営を中心に約六十社が物販やPRを行うブースの出店料と、車や人気ゲーム機などが当たるビンゴ大会の参加料の一部がチャリティー基金の中心だ。
フェスティバルは、同市東区の県西部地域地場産業振興センターで行う。ブラジル人学校の生徒らによるコンサートや、日伯交流百年を祝うミュージカルも予定している。