ニッケイ新聞 2008年1月8日付け
九月十一日付け本紙でブラジル人の半数は運動していないと報じたが、五日付けエスタード紙では、運動している人はさらに少なく、ブラジル人の半数以上は適正体重を超えていると報じられた。
エスタード紙によると、十八歳以上の二一七九人を対象とした調査の結果、体重を身長の二乗で割った指数が一八・五未満の痩せ型は五%、一八・五~二四・九の適正体重が三二%、二五~二九・九の太り気味が五一%、三〇~三四・九の軽度の肥満が八・五%、三五~三九・九の中度の肥満が〇・六%、三九・九を超える重度の病的肥満は三%で、肥満傾向は段々強まっているという。調査者は、「われわれは爆発寸前の爆弾の上に座っており」、「今、何らかの対策をとらないと、将来的に噴出してくる問題をカバーする術はなくなる」という。
今回の調査では、運動をしている人は三八%のみで、飲酒や喫煙の習慣のある人は二〇%という数字も出てきた。また、その数字を統括するかのように、二一七九人中、五八%が健康上の問題を抱えていると回答している。
健康上の問題は二七%の高血圧を筆頭に、関節の問題(一四%)、うつ病(一〇%)、糖尿病など。また、高血圧や糖尿病、心臓病などで食事療法を行っている家庭が一五%。九月本紙では「肥満につながる運動不足は年間三十万人の命を奪う心臓病の主な原因」と記したが、肥満が昂じ、病的肥満となれば、死亡率一・五%のリスクを伴う胃の容量を減らす手術以外の方策はなくなるという。
また、健康関連の経費も肥満と相関関係にあり、適正体重者は医者や薬に年七五〇レアル、太り気味の人は一〇四七レアル、軽度の肥満者は一五〇〇レアル、病的肥満者は一八〇〇レアルを費やすという。また、サンパウロ市クリニカ病院で無料手術を受けようとすると、順番待ちで五年。手術を待つ間に命を落とす人もいるという。統計的には、肥満者は適正体重者と比べて、平均余命が一五年短い。
飲酒か喫煙をしている青年は肥満になる可能性があり、テレビやコンピューターの前で何かを食べている子供も肥満予備軍だというが、劣等感も含めた様々な問題が起きる前に、現実を知り、考え、行動することが求められている。