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藤間流踊り初め=今年も踊った、踊った、踊った!=フィナーレは百人で百周年音頭

ニッケイ新聞 2008年1月8日付け

 今年も踊った、踊った、踊った――。毎年恒例の藤間流日本舞踊学校(藤間芳之丞、藤間芳嘉会主)の「第四十七回踊り初めの会」が、六日午後一時から文協大講堂で行われ、約六時間に及ぶ日本舞踊の披露が行われた。
 開演に先立ち、昨年一年間欠席なく練習に参加した門下生十七人に対して皆勤賞が渡された。続いて、名取の藤間芳翁さんと藤間芳苑さんの二人が「新春の舞」を舞い、華々しく開演。
 第一部は普通科で練習している生徒二十三人が舞台を披露した。京都の若い娘のことを表した「古都逍遥」を見事に踊り上げた渡辺美和さん(24、3世、パラグアイ在住)は「周囲の雰囲気で段々と緊張してしまった。扇子を回すところで落とさずに出来てよかった。今回はとりあえず合格点かな」と胸を撫で下ろした様子で話した。
 第二部の専攻科では五人の門下生が日頃の腕前を見せた。
 第三部は会主、名取による「祝賀の色彩り」。
 最年長名取の藤間芳豊さん(85、広島出身)は、四十年以上舞踊を行ってきた。最近リュウマチがひどくて思うように足が動かないなか、山口を旅する女性の姿を描いた「深山路」を見事に踊った。「リュウマチで辛いけど、毎年この踊り初めには必ず参加している。この年になっても参加できるのは幸せ」と嬉しそうに語った。
 フィナーレの「移民百周年―跳る!踊る!!躍る!!!」では、百周年を記念して作られた「海を渡って百周年音頭」を会主と名取、門下生一同約百人で披露した。最後に藤間芳之丞会主が「これからもみなさんに愛されるようにがんばりますのでご指導ご鞭撻をよろしくお願いします」と来場者に感謝を表した。
 毎年見に来ているという蔵本アリ子さん(98、山口出身)は八十七歳の頃まで藤間流で舞踊をしていた。「みんな楽しくやっているので良かったけど、踊り(の情景)が目に浮かぶような感じが出てこないのが残念だった。二、三世の方たちには難しいけどね」と今回の舞台を評価していた。