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ガス雨不足で電力危機?=短期リスク管理欠如=09年停電に備え泥縄対策=水力火力に偏ったエネ政策

ニッケイ新聞 2008年1月9日付け

 電力システム管理局(ONS)は八日、降雨不足で貯水湖の水量が発電に足りないので水力発電の不足を補うため、全国の火力発電所稼動と発表したことを八日付けエスタード紙が報じた。南東地域の貯水湖は例年なら満杯であるはずの一月、容量の四四・九%に達せず最低基準より五・六%を満たしているに過ぎない。北部地域では、例年の平均降雨量より六四%少ない。しかし、天然ガスも不足しているので、火力発電は能力の半分以下しか稼動できない状態にある。
 ブラジルに一万二千MW(メガワット)を発電する火力発電設備はあるが、天然ガス不足で四千五百MWしか発電していない。水力発電も降雨不足のため貯水湖が、枯渇する公算が出てきた。これは国民が、現在の電力消費量を一〇%以上節電しなければならないことを意味している。
 一月は、貯水湖が満杯になる時期である。政府が降雨観測を始めて七十六年間、初めての最低水準だ。異常気象は、干ばつとなってブラジルを襲っている。降雨不足は電力卸市場で、前週比九一・六一%増のMW一時間当り四百七十三レアルへ電力価格を引き上げた。二〇〇二年の電力危機以来の値上げ幅だ。
 最も懸念されるのは、政府が短期の電力リスク管理をしていないこと。政府は楽観したため節電計画をしなかったし、二〇〇九年まで大丈夫と思っていた。それで雨期が終わる四月まで、様子を見るらしい。
 貯水湖は地域の河川が流れ込む地形に造成するのだが、同地域に雨が必要なとき必要量だけ降らねばならない。専門家の見解では、二〇一〇年までに電力危機の到来は必然という。二〇一〇年までに火力発電所の増設は、時間的に無理。残る手立ては、ペテロ様に雨乞いするしかない。
 ブラジルのエネルギー政策が水力と火力に偏り、バイオマスや風力、原子力へ危険分散することの必要も常々指摘されていた。それが二〇〇五年には、九一%が水力一辺倒であった。それで火力へ舵を取ったが、ガス供給は頼りなかった。
 ラ・ニーニャの気圧配置は二〇〇六年、降雨減少で貯水量は少なかったが、夏は順調に雨が降り発電に間に合った。それが今回は期待を裏切った。ブラジルの天気は、専門家にも分からないらしい。

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