ニッケイ新聞 2008年1月9日付け
二〇〇八年幕開けの七日、サンパウロ市は昨年に引き続き狂暴犯罪が相次ぎ、今年も治安に不安を投げかける世相となった。
南部アクリマッソン区のフラット・ホテル・エズで女一人を含む四人組が機関銃とピストルで武装し、宿泊客や従業員計四十人を受け付けのエレベーターホールに閉じ込め、携帯電話や金品を強奪した。
従業員の機転で警察に通報し、包囲された犯人は逃げ場を閉ざされた。犯人の二人は投降した。残りの二人はその後、ホテルの奥に陣取り、五時間にわたり人質を盾に閉じこもった。しかし、警官の説得で投降。そのため被害は、甚大に及ばず未遂に終わったため大事に至らなかった。
いっぽうで西部アルト・デ・ピニェイロス区の民家に、これまた四人組みが侵入し金品を強奪した。これも直行した警官隊と撃ち合いとなり、逃走未遂で逮捕された。その際犯人の一人は胸部に被弾したが、偶々ポケットにあった携帯電話に命中し命を取りとめた。まさに正月のお年玉だ。
携帯電話はメチャクチャになりながらも、犯人は命に別条がなかったという幸運か悪運に恵まれた。