ニッケイ新聞 2008年1月10日付け
アマゾナス州のエフィゼニオ・サーレス移住地が、日本移民百周年の今年、入植五十周年を迎える。六月二十三日には五十周年記念式典を挙行。さらに節目の記念誌発行など、様々な記念事業・イベントが計画されている。式典には、同地に最も多く入植した石川県から慶祝団が出席する予定だ。宮本倫克実行委員長(エフィゼニオ・サーレス自治会長、石川県出身)は「小さなコロニアながらも盛大な式典にしたい」と意気込みを見せている。
州都マナウスから四十一キロ離れたエフィゼニオ・サーレス移住地は、一九五八年十一月十日、海外協会連合会のアマゾナス州計画移住地として開設。石川、福岡県人を中心に第一陣十七家族が入植した。
以後、六一年の第四次までに十二県から五十二家族は入植。現在は三十の日系世帯(北海道、山形、青森、宮城、石川、兵庫、福岡、熊本、長崎、鹿児島)が暮らし、養鶏をはじめココ、野菜などの生産に従事している。中でも養鶏はマナウスの消費の七〇%を占める、州都の食料供給地だ。
さらに近年では、アマゾンのエコツアー、ジャングルツアーも注目を浴びている。「こうした観光面にも期待している」と宮本会長は話す。
五十周年式典当日は、式典・慰霊祭のほか、夜にはマナウス市で祝賀会も開催。
さらに同地では、記念誌発行や石川県出身の森喜朗元首相揮毫による慰霊碑の建立、自治会会館の改修、診療所開設など、様々な記念事業の準備を進めている。
記念誌は資料とともに、関係者の投稿を呼びかけ、日ポ両語で出版する計画。
このほか三月には歌手の「ハル」による公演を予定。また、運動会(七月)や盆踊り(八月)、ソフトボール大会(十月)などの恒例行事も例年以上に盛大に開催する考えだ。
アマゾン開拓半世紀の節目。宮本委員長は、「内外の関係者や南伯の百周年式典に参加する慶祝団の方々にもぜひ参加してほしい」と期待を表した。