ニッケイ新聞 2008年1月12日付け
日本移民百周年を迎えた今年、ブラジル野球連盟は数々の記念事業を計画している。二月の株式会社デンソー女子ソフトボール部を皮切りに、八月は大学野球の伝統の一戦と呼ばれる早慶戦、九月は日本の夏には欠かすことのできない風物詩高校野球、十月は日本各地の郷土色豊かな応援で盛り上がる都市対抗社会人野球が来伯することが決定している。それぞれ、サンパウロ州、パラナ州を中心に野球を披露しつつ、地元チームとの交流戦、日伯交流を行う計画になっている。
【デンソー】
日本の実業団デンソー女子ソフトボール部は二月四日から十九日まで、ブラジルで合宿を行う。四日から六日までイビウーナでキャンプを行い、七日から九日まではクリチーバに移動する。その後、十九日までサンパウロ市内のボン・レチーロ球場で合宿を行う。その間にブラジルの代表チーム(ヴェルジ、アマレーロ)と試合を行う予定。
デンソーにはブラジル出身の染谷美佳投手が所属している。来日して七年が過ぎ、日本代表選手二十五人の中に名を連ねるほどの実力を持っている。今回訪日以来の里帰りになる。
【早慶戦】
早慶戦では、〇六年に行われた第八十八回全国高等学校野球選手権大会で、〃ハンカチ王子〃として社会現象までになり、大旋風を起した斎藤祐樹選手を擁する早稲田大学と慶應義塾大学の試合を行う。各地で始めに早慶戦を行い、その後、地元チームとも試合を行う計画にしている。八月七日に来伯し、十八日に離伯する。
主な試合予定は、八月九日(プルジデンテ・プルデンテ、二試合)、十日(マリンガ、二試合)、十四日(リンス、二試合)、十六日(イビウーナ、二試合)。
【高校野球】
日本高等学校野球連盟(高野連)と朝日新聞社が主催して行う日伯親善高校野球大会の正式開催が、昨年十一月六日の全国選手権運営委員会で決定された。
四年前から、日本側に交流試合を打診していて、今回正式に決定した。六〇年代を皮切りにほぼ十年ごとに来伯していて、今回で四度目の親善試合。
昨年五月にはブラジルから日本へプレイベントとしてブラジル選抜チームを送り、群馬、茨城、福島、岐阜、三重、東京各地の選抜チームと対戦し、交流を行った。
来伯時期は全国高等学校野球選手権大会終了後の九月四日から十五日まで。同派遣は、毎年同大会終了後にアメリカやアジア地域に高校選抜を派遣しているものと同じ。
日本の選抜チームは、同大会でベスト八に入ったチームから二十人選ばれる。ブラジルの代表チームは昨年五月に日本で試合を行った選手を中心に編成される予定で、十八歳以下の地元有力選手で編成される。
ブラジル内では八試合を計画していて、サンパウロ州や南麻州、パラナ州などへ遠征し、試合や交流を行う。ブラジル選抜が一緒に各地に移動し、試合を行う。
主な試合予定は、九月六日(バストス、一試合)、七日(ロンドリーナ、二試合)、十日(カンポ・グランデ、二試合)、十三日(モジ・ダス・クルーゼス、一試合)、十四日(サンパウロ、二試合)。
【社会人野球】
社会人野球は、第七十九回都市対抗が八月二十九日から九月九日に行われ、同大会の優勝チームが来伯して、試合することが決定している。試合相手は各地でブラジルの実業団と試合を行っていく。
主な日程は以下の通り。十月十一日(マリリア、二試合)、十二日(ロンドリーナ、二試合)、十六日(アラサツーバ、二試合)、十八日(イビウーナ、二試合)、十九日(サンパウロ、二試合)。
◎
今回来伯するチームは日本からブラジルへの移動費は各団体が負担し、ブラジルでの滞在費などはブラジル側が負担することになっている。
今回の決定に対して、ブラジル野球連盟の沢里オリビオ副会長は「百周年事業のために、数年前から計画してきた。早慶関係者とも数回会議を行ってきて検討に検討を重ねてきた。百周年で来てくれるのは嬉しいし、満足している」と高揚した様子で話した。