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元デカセギ岡部さんも参加=V・マリアのカーニバル=100周年パレード=「日系人として誇り感じる」

ニッケイ新聞 2008年1月15日付け

 「こんな大きなチームにオメナジア(顕彰)してもらって、日系人として大変誇りに感じます」。来月のサンパウロ市カーニバルで日本移民百周年をテーマにパレードするサンバチーム、ヴィラ・マリアで、躍るだけでなく建築家としても活躍する岡部勝マルセロさん(36、三世)は元デカセギだ。
 母はイタリア系、父が日系二世で、九〇年から九七年まで日本就労した。愛知県、群馬県、茨城県などで工場労働やマッサージをしていた。貯めたお金でカナダ、インドネシア、欧州にも旅行。「日本にいた八年間は、自分の人生の中でも最も良い時期だった」と流ちょうな日本語を使う。
 九二年ごろに、浅草サンバカーニバルにも出場した。「あの頃の日本人は、サンバ・ノ・ぺ(サンバの踊り)を知っている人が少なかった」という。
 帰伯後にデカセギ資金で大学に入り、建築士になった。「大学いけたのも、家や車を買ったのも日本のおかげ」と感謝する。五年前から近所にあるヴィラ・マリアに通い始め、増築工事などの仕事も請け負うようになった。
 「パレードはきっと日伯のウニオン(団結)、国民同士のアミザージ(友好)の象徴になるよ」と意気込む。「デカセギ全員に戻ってきて参加してほしいくらい」。
 アルモニア(調整役)のマイアラ・アウヴァさん(24)の弟は、日本人と結婚しているという。「今年のテーマ曲が今まで最高の出来。打楽器隊との絡みが絶妙ね」と賞賛する。
 法務担当理事のオマール・シャインさん(59)は、本来は極秘事項の山車制作現場のバラコンを道案内した。先頭をいく山車の造作は黄金の寺のよう。「繋いだら、山車の長さが六十メートルもなるんだ」とこっそり耳打ちする。
 すでに完成した山車には巨大な黒いビニールを被せて隠しているが、シャインさんは「ビニールをとったら凄いよ。日本の美の完璧な姿をパレードで見せるつもりだ」と自信のほどをのぞかせた。
 今年のカーニバルでは僅差で二位に泣いた。「準備は着実に進んでいる。あとは優勝するだけ」。