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「日本移民にアリガトウ」=サンパウロ市=百周年公式オープニング=カサビ市長が最高の賛辞

ニッケイ新聞 2008年1月15日付け

 「日本移民にアリガトウ」――。サンパウロ市によるブラジル日本移民百周年公式オープニングが十四日午前、アニェンビー・コンベンションホールで開かれ、ジルベルト・カサビ市長や市、州の関係者ら約三百人が出席した。国内主要メディアも取材に訪れ、関心の高さを見せた。カサビ市長は、「日本移民や日系コロニアがなければ、現在のサンパウロの姿はない」と称え、移民百周年のスタートを宣言した。
 式典には、カサビ市長ほか、飯星ワルテル連邦議員、サンパウロ市議会の百周年委員である野村アウレリオ、神谷牛太郎、アントニオ・ゴラール三市議、サンパウロ観光公社のカイオ・ルイス・デ・カルヴァーリョ会長、ワルテル・フェルジマン・スポーツレジャー局長らが出席した。
 上原幸啓会長は、自らの移民体験を交えながら、百年の日系移民の歴史を振り返り、日系議員や関係者の協力に感謝の意を表した。
 サンパウロ大学工学部の教え子であるカサビ市長に式祭典会場の無償貸与の礼を述べ、「私は日本で生まれたブラジル人です」と独自の解釈で自らを表現、出席者から拍手を送られた。
 続いて、飯星連邦議員が将来の日伯関係における伯日議員連盟の重要性などについて触れた。
 「大のカラオケ好き」と野村市議に紹介されたカルヴァーリョ会長は自他共に認める親日派。八八年の八〇年祭で来伯された秋篠宮殿下(当時礼宮殿下)に随行、サンパウロ動物園を訪れたエピソードも披露、「日本語は分からないが、誰よりも日本文化を愛している」と語り、日本移民百周年を喜んだ。
 最後にカサビ市長は、日本移民のブラジルにおける功績について「食・農業・教育」の三つを挙げ、「日本以外に最も多くの日本人・日系人を抱えるサンパウロを誇りに思う」と話した。
 あいさつの中で「日本人がブラジルに来てくれたことに、感謝の思いを強くしている」と何度も強調、「日本移民にアリガトウと言いたい」と日系コロニアに最高の賛辞を呈した。
 サンパウロ市は、百周年祭典の式祭典会場となるサンボードロモ、アニェンビー大講堂、エリス・レジーナ講堂などにかかる四百万レアルを負担することが決まっている。
 なお、百周年事業としてボン・レチーロ区にある野球場や相撲の土俵などがあるスポーツ施設が「日伯総合スポーツ文化センター」として生まれ変わることが発表された。
 野球場の増設や土俵の移転も予定されており、今月末からソフトボール場の改装工事が始まる。発表はなかったが、関係者によると連邦政府から捻出される総予算は約七百万レアルだという。
 六月二十一、二日に開催される記念式典や同月十三日から二十二日までアニェンビー大講堂、エリス・レジーナ講堂で行なわれる日本文化週間などについても紹介された。