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百周年協会=ルアネー法で式典に336万レ=資金集めにリッファ発行へ

ニッケイ新聞 2008年1月15日付け

 ブラジル日本移民百周年記念協会(上原幸啓理事長)の定例理事会が十二日午前九時から、サンパウロ市の同協会会議室で行われた。日伯交流年開始後、初の定例理事会には約二十人が訪れた。六月二十一日にサンバ会場で行われるサンパウロ市式典に対してルアネー法の許可がでたことや、協力券(リッファ)を発行することなどの報告承認が行われた。
 百周年の免税口座団体(OSCIP)の渡部和夫副会長は、サンパウロ市記念式典に対して使う費用に関して昨年十二月二十日に、ルアネー法で三百三十六万レアル分(約二億一千万円)の免税寄付の受け取りを認められたことを報告した。
 すでに、某銀行から同法による免税特典があれば総額の半額まで負担する申し出があるが、式典の総予算が一千万レアル(約六億二三〇〇万円)であることから、免税額を増額するよう申請すると共に、残りの非免税部分の寄付金を集める努力をするという。
 六月十三日から二十二日にわたって行なわれる日本文化週間についても、現在ルアネー法を申請中で、二月の会議で審議される予定であることも付け加えた。
 昨年十一月の理事会で承認された主催事業の総予算は二一七八万レアル(約一三億五七〇〇万円)。現在までに、企業や宗教団体などから集まった寄付金で、同免税口座に振り込み済みの資金は七六万二〇〇〇レアル(約四七三〇万円)。
 このほか、日本のポ語メディアIPC社が〇六年に一〇〇万レアルを寄付すると約束した件も、渡部副会長は「まだ法律的に問題がある」と説明した。
 上原理事長は「式典には絶対に失敗はできない。チジョーロ(レンガ)一つ分の積み重ねが大事」と呼びかけ、少額から協力できるリッファ(正式にはContribuicao de Premeioという)を始めることにしたと説明した。
 一枚あたり二十五レアルで、五万枚全部販売すると百二十五万レアルの売上げになる。各地の文協などに販売を委託して、二割は委託者が受取る。賞品は一等=ホンダ・シビック車、二等=トヨタ・カローラ車、三等=日本往復航空券二枚、四等=四〇インチTV、五等=SONYノートブック。
 渡部副会長からは「百周年でお金が残れば」という条件で、日本文化の継承事業や高齢化などの社会福祉など幅広い事業に支援していく「文化及び社会福祉基金」の設立を提案し、その場で承認された。
 原長門総務補佐からは、百周年記念のスポーツ大会には同協会からトロフィーや記念メダルを贈呈すること、百周年を記念したサンダルの輸出する件、寄付を行ってくれた人に対しての奉加帳(Livro de Ouro)などの紹介を行った。
 吉岡黎明文化委員長はグァルーリョス国際空港での大竹富江さんによる記念モニュメント作成や、南米記念館で行われる予定のシンポジウムなどについて経過報告を行った。
 一方、在聖総領事館の丸橋次郎首席領事は「日伯交流年はすでに始まった。福祉基金のアイデアは素晴らしいが、まずは残るように努力しなくては」と講評。
 松尾治執行委員長は、東京の百周年式典(四月二十四日)、神戸の式典(同二十八日)にむけた訪問団を集める計画が進んでいる件を報告した。
 最後に上原理事長は「八十周年まではコムニダーデから日本へのお祝いだった。百周年は古参移民を顕彰しながらブラジルと日本で祝う点が異なる」との独自の考えを強調した。