ニッケイ新聞 2008年1月15日付け
在伯日本人による日本と日本人を憂える議論は、たいてい「今のままでいいのか」の悲観論になりがちだ。その逆なら、かえって珍しいくらいだ。
昨年、秋田国体に招かれ、故郷訪問した酒井政廣めぐみ学園校長(ロンドリーナ)は、アセルの新年祝賀会の祝辞で、母校で講演した際の聴衆についてふれた。演題は「地球の反対側の教師」。酒井さんは「一時間半、(聴衆の)生徒、教師、同窓生たちに、腕や脚を組む人は見受けられなかった」と述べた。
さらに「(郷里以外でも)私の接した人たちは、昔ながらの日本人の良さを身につけた人たちばかり。日本精神を見失った人たちとの出会いはなかった」。
酒井さんの訪日の狙いは、よくいわれる日本人の精神面の変わり様の観察だった、という。少数ともいえるこの意見、賛同者はいますか。(神)