サンパウロ州＝買物したら領収証受取りを＝サービス税を消費者に還元

ニッケイ新聞　２００８年１月１６日付け

　昨年十月からサンパウロ州で始まったノッタ・フィスカウ・パウリスタについて問い合わせがあったので、触れておきたい。
　ノッタ・フィスカウはいわゆる領収証にあたるが、ノッタ・フィスカウ・パウリスタは、サンパウロ州内で商品購入やレストランなどでの飲食時に納税者番号（個人ならばＣＰＦ、会社などはＣＮＰＪ）を告げて領収証を発行してもらうと、商店やレストランなどが商品流通サービス税（ＩＣＭＳ）を支払った後にＩＣＭＳの三〇％相当が消費者に還元されるという制度。本来は、消費者が領収証を請求することを奨励する意味で始められたものだが、対象となるサービスや商品は毎月拡大されており、還元方法も自分たちで選ぶことができる。
　還元方法は、車両税（ＩＰＶＡ）から還元額分を減額する、銀行口座（当座預金、貯蓄型預金＝ポウパンサ）に振り込む、クレジットカードに振り込む、他の人に譲渡する、賞品で受け取るのどれかから選択できるが、そのためにはインターネットのサイト（www.fazenda.sp.gov.br）に入り、暗証番号を取る必要がある。還元される金額の確認や領収証が本当に登録されているかどうか、どこの店がこの制度に参加しているか、何が対象商品なのかの確認も先のサイトで行うことができる。
　参考までに、昨年十月の制度開始時はレストランだけが対象だったが、十一月にはパン屋、バール、ランショネッテ、ブフェなども対象になった。また、十二月からは具体的な商品として、おもちゃや花火、楽器やＣＤ、ＤＶＤ、写真や録画関係、旅行用品、光学器械が対象になり、一月からは乗り物（車やバイク、船）とその部品やアクセサリー、ＧＬＰを含む乗り物用燃料が対象に加わった。
　二月以降は、ペンキやガラス、水道管なども含む建築資材、三月からは情報機器、電話・通信機器、家具やマットレス、文房具など家庭や事務所で使う物、さらに骨董品や美術用品なども加わる。四月には、ハイパー、スーパー、ミニの各マーケットや肉屋、魚屋、その他の飲食料品店と、医薬品、医療機器、化粧品等を扱う店も対象に。五月には空港の免税店も含め、衣類や靴、アクセサリーなどにも対象が拡大される。
　この制度の適用される店にはシールが貼られているというが、支払い時にノッタ・フィスカウ・パウリスタが使えるかと尋ねた上、ＣＰＦまたはＣＮＰＪの番号を伝え、領収証を作ってもらえばよい。
　詳細は先のサイトかフリーダイヤル（０８００―１７０１１０）へ。還元されるクレジットの有効期間は五年間。一月十五日現在、参加店舗は一〇万一七三六、登録された領収証は一三九四万三四三二点。