ニッケイ新聞 2008年1月16日付け
松尾治県連会長が福岡県人会長の辞意を明らかにした。これにより、新県連会長を立てる必要が出てきたが、人材不足の感は否めない。中沢宏一前県連会長の擁立、松尾批判で名を馳せた大西県連会長との連衡の声もあり、目が離せない状況となってきた。百周年もあることから、六月をピークに多くの県が慶祝団を組み来伯する。ある意味日本側にコロニアの結束を見せる一年ともなるだけに、〃喧連〃とならないようなシャッパ作りが期待されるところ。
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高村正彦外務大臣は十五日の会見で、日本に長期滞在する外国人の入国・在留手続について日本語能力を重視する方向で、法務省と協議を始めることを発表した。「これから検討」ということで、日本語能力の有無が入国・在留延長規制、または緩和につながるものかには答えていないが、外務報道官は「語学が不十分なために、様々な困難に遭遇」「地域社会においても別な意味で問題が色々生じている」と発言。デカセギで長期滞在する外国人が念頭にあるのだろう。でなければ、外国公館の職員、企業駐在員などにも適用される話だ。ブラジル側の百周年開幕セレモニーを直前に控えた、このたびの発表。何というタイミング! こちらの関係者はどう見るか。
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十一日に行われた日本側の開幕レセプションが大手メディアで大々的に扱われた――という話はまったく聞かない。しかるに、ブラジルではテレビから新聞まで熱心に報じられており、この温度差は大きい。日本移民の百年間の積み重ねを自分のものとして祝うブラジルと、そうでない日本側の差ともいえる。それとも、デカセギ百周年(二〇八五年)には、今のブラジルメディアなみに日本で大きく報道されるか?