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国際環境、いっせいに冷え込む=金利は引き上げへ=レアル下落とインフレに備え=不確定時代の序曲「低迷」始まる

ニッケイ新聞 2008年1月22日付け

 中央銀行の通貨委員会(Copom)が二十二日始まるのを前にエスタード調査会社が六十二の金融機関に質問したところ、基本金利(Selic)を現行の一一・二五%に据え置くことを全企業が希望していると二十一日付けエスタード紙が報じた。金融市場は米金融危機の影響を受けて、ブラジルを含め各国が基本金利引き下げの可能性を排除し、不確定時代に備えたと見られる。
 米国発の金融危機が、基本金利の引き下げ可能性を葬った。通貨委員会は二〇〇八年早々、金利の段階的引上げに入ると関係者は見ている。懸念はレアル通貨の下落によるインフレの再発らしい。各国通貨は軒並み下落した。レアルの〇・五六%に対し南アは二・九九%、英国のポンドが一・五五%、韓国のウオンが一・〇四%、カナダ・ドルが三・五五%だ。
 二〇〇七年十二月のIPCA(消費者物価指数)は、目標インフレ率四・五%を超え、芳しいものではなかった。それは国内消費市場の過熱が原因とも理解できるが、今度の懸念は米金融危機を震源地とする国際的不確定要因だ。
 それを象徴する第一現象が、金融市場からの資金流出である。常軌を逸した流出は、レアル通貨の下落を招き、インフレの原因になる。そして金利政策へ影響を及ぼす。まだ様子を見る必要はあるが、三月から流れは明白となる。
 国内の産業が消化できる程度のインフレにとどまるかである。現時点では生産と販売が順調で、工業設備の稼働率もよい。いまは、微妙なところにある。一寸間違えれば、インフレは目標を超える。基本金利を引き上げれば、企業の設備投資は止まる。こんなとき判断の基準となるのは、家庭の消費動向だ。
 火元である米経済は、まだ国際経済に密着している。米経済がGDP(国内総生産)を一%下げれば、各国のGDPは〇・七五%落ち込む。米経済の動向次第で各国経済は減速して動揺する。ブラジルはそれほどではないが、輸出の後退やブラジル輸出品の価格低下は始まっている。
 対米輸出ばかりでなく対EUや対中国など米経済の影響を受ける国への輸出は、一様に取引が落ち込む。コモディテイ市場も相場の下落を余儀なくされた。対米輸出を主力とした企業は急遽、国内市場へシフトする必要がある。

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