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大油田は掘り出し物=試掘リスクの縮小で契約変更=純国営の第2PBを創設か

ニッケイ新聞 2008年1月23日付け

 ブラジル資本市場の警察官ともいうべき国家証券委員会(CVM)が、ペトロブラス(PB)のガブリエリ総裁にサントス大陸棚の岩塩の下にあるのは本当に大油田かと確かめた。総裁は近月中、驚くべき報告書を提出すると応えた。
 エスタード・デ・サンパウロ紙の取材に先週、同総裁は原油の常識が最近変わったと述べた。同総裁によれば、トゥッピー鉱床の様子が少し違うというのだ。ブラジルの原油とガスの試掘リスクが縮小したので、新試掘契約は内容を変更すべきだという。
 石油関係の国際法律事務所やコンサルタントは、自国の通例に従って世界各国の試掘に挑んでいる。ブラジルでの試掘も同様だ。米国方式でいうなら、発見した原油とガスは米国の資産である。ブラジル政府は、大油田が発見された場所の地主か海主であるに過ぎない。国外では、総裁のいうことは通用しない。
 ブラジルの許可制度は、一地域の試掘権を公社や民間企業に競売するシステムだ。原油を発見したら原油の所有者になり、政府にコミッションを払うだけである。ブラジルでは四種の権利金を払えばよい。入札手数料とローヤリティ(一〇%)、共営者への配当、地域取得の権利金だ。この制度でいままで試掘をさせ、試掘企業と政府は円満にやってきた。
 他に、アンゴラやバーレン、コロンビア、メキシコなどで行っている利益分配方式というのがある。石油公団がプロジェクトを企画し、入札に共営者として参加する。試掘企業は共同契約を結ぶが、公団の指示に従い売上を分配する。
 契約内容の変更というなら、利益分配方式が望まれる。そのためには連邦令の改正が必要である。総合企画を行う石油公団は、一〇〇%官営で半官半民は許されない。ペトロブラスに企画をさせると、株主の利益が優先されるからだ。もしこの制度を導入するなら、第二ペトロブラスを設立する必要がある。
 ボリビア形式もある。民間企業が、石油公団と共営で試掘する。但し法外な配当金を払う。投資に対する配当を制限する制度だ。ベネズエラ方式は、政府が独占事業として試掘から技術開発、生産の全工程を支配する。どちらも投資家が相手にしないから、ブラジルには導入できない。