ニッケイ新聞 2008年1月23日付け
トヨタ自動車が世界一の王座をジェネラル・モーター(GM)から奪ったと六日付けヴァロール紙が報じた。しかもトヨタ自動車は二〇〇八年、ブラジル進出五十周年、インダイアツーバ工場開設十周年に当る縁起のよい年である。
二〇〇七年度車両の売上台数が、トヨタ九百五十一万台に対し、GMは九百二十八万台。最終的な販売台数は、一月末に発表されるようだ。GMのワゴネル社長は、年初米国を襲ったスタッグフレーションを恨んだが、敗因はそれだけではなさそうだ。
トヨタ技術陣は、ユーザーの要請で誰からも羨まれるような車をつくれと頼まれた。また時代の要求で環境への配慮も、指摘されていた。それはJD・Power二〇〇七年の満足度調査でトヨタが六五%、ホンダが六二・八%と二年連続でリードしていた。
各メーカーには、一定の車しか乗らないファンがいる。業界の平均では、購入者の四九%が決めた車を愛用する。トヨタの六五%をトップに、GMの五六%。フォードは、五三%。EUはBMWが五八%、ダイムラー・ベンツが五七%、ポルシェが四二%、アウジ四一%、Saab三四%、ヴォウヴォとワーゲンが三三%となっている。
不評の日本車はいすず。米国では、ポンチアックの二八%。英国ではジャグアーとランド・ロバーが、デザインの野暮臭さで評判が悪い。クライアントが長年、車を愛用してもらうには技術者と愛用者に相通じる心意気があるらしい。