ニッケイ新聞 2008年1月23日付け
二〇〇六年三月に国際協力機構(JICA)サンパウロ支所に着任した野末雅彦次長が病気療養のため、帰国していたことが二十二日までに分かった。
野末次長が十五日付けで関係者各位宛に書いた文書によると、昨年十月に一時休暇で帰国、健康診断を受けたさい、循環器系の疾患が認められ、ブラジルへ戻るのは難しいとの医師の判断に従ったという。
百周年事業に協力できなくなったことを「誠に痛恨の極み」とし、関係者に感謝の言葉で締めくくっている。
聖支所総務班長も兼任するブラジル事務所総務班の後藤菜穂班長は、「後任人事を現在東京で行なっているが、着任時期は全く未定」と説明する。
野末次長の今回の帰国により、サンパウロ支所は現在、現地職員のみ。
小林正博ブラジル事務所長(二十二日現在帰国中)、吉田憲同事務所次長がサンパウロ支所を兼任する状態が続くという。
日系社会支援などを主に行なうサンパウロ支所。数年前から縮小傾向にあるが、「(今回の野末次長の帰国とは)全く関係ない。百周年に間に合うかどうかは何ともいえないが、後任着任ははっきりしている」と後藤班長は強調している。