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東西南北

ニッケイ新聞 2008年1月24日付け

 今年に入って四度も止まったサンパウロ市の地下鉄に対し、人員増や車両の入れ替えなどの対策案が出されたのが二十一日。明けた二十二日はパウリスタ都電公社(CPTM)でエンジン停止。ちょうど夕方のラッシュ時で約三時間の混乱は地下鉄などにも及んだ。政府はカンピーナス~サンパウロ~リオの高速鉄道は優先事項というが、建設と同時に保守体制も万全に。
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 クリスマスの火事から一月もたたないサンパウロ市クリニカ病院救急病棟一階で停電。付近の電線の短絡事故のせいのようだが、血液センターは十時過ぎから一時間ほど停電となり、採血作業は十二時半から再開された。
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 黄熱病は一時ほど騒がれなくなったが、今問題になっているのは注射熱。人口五六〇万人のゴイアス州では一〇〇万弱の人が最後の予防接種から一〇年経たないうちの再接種。人口二四〇万の南マット・グロッソ州でも無用の再接種が四〇万件。リオ市の順番待ちの人の列は、かつて予防接種を拒む人の列が出来たさまを思い起こさせるというが、ここでも無用の順番待ちが起きている。
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 サンパウロ市南部で、行方不明になった青年J(15)の捜索が続いている。十五日から行方不明のJは、盗難車に乗っていた所を機動隊に追い駆けられたまま、音信不通。一緒にいた十八歳の青年の死体がグアラピランガの貯水池で見つかったのが十九日。十五歳のJの捜索に乗り出す様子も無い消防隊に見切りをつけた親や友人は毎日、販売店が提供してくれた車二台で乗り付け、捜索。浮輪替りのタイヤチューブも救命胴着もみな、事情を知った人たちからの借り物というが、寒波や水の冷たさに負けない熱い思いが人を動かしている。