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金融危機がドーハへ有利に働くか

ニッケイ新聞 2008年1月25日付け

 アモリン外相は二十二日、米金融危機が世界貿易機関(WTO)ドーハ・ラウンドの補助金削減交渉に新たな要因をもたらすとの見解を明かにした。米国は一九二九年、保護貿易で恐慌を引き起こし世界に大迷惑を掛けた。それに懲りず、また同じ轍を踏みつつあると糾弾した。
 外相はダヴォスの経済フォーラムにドーハの欧米代表を招き、健全な経済発展が人類の平和的目的であると訴える考えだ。生産経済を軽視し金融経済に偏り、資金力にものをいわせる保護政策は世界経済を歪め、いつか破綻する日が来ると外相はいう。
 ドーハ・ラウンドは最後の詰め段階にあり、アモリン外相が途上国三十カ国を
代弁して、日欧米の代表に説明会を行う。古代ローマ帝国が傭兵を雇って戦争をしたことで、汗を流さず戦利品だけ奪う戦法は、国を滅ぼすことが教訓として知られている。