ニッケイ新聞 2008年1月25日付け
来月のサンパウロ市カーニバルで、日本移民百周年をテーマにスペシャル・グループでの初優勝をねらう新興サンバチーム「ウニードス・デ・ヴィラ・マリア」に、和太鼓グループ「生」(しょう、木下節生代表)と「木下節夫太鼓グループ」のメンバーら十八人が参加する。
同チームは昨年、豪華なパレードを披露しながらも二位に甘んじた。今年は移民百周年をテーマに選定し、古い日本とその習慣をモチーフにした行進を先頭に、移民の始まり、日系社会の広がりなどを順々に描く構成だ。
五台の山車を間にはさんで、四千五百人がディスフィーレする予定で、木下さんらメンバーは半被などの日本的な衣装をまとって登場。カーニバルのルール上、サンバでつかう楽器以外は音を鳴らしてはいけないため、木下さんらメンバーは一台の山車の上にかたまり、サンバのリズムにあわせて太鼓を叩くふりをするという。
代表の木下さんはサンパウロ市生まれの日系二世。二十二歳の時、奈良県に留学し、二十七歳から本格的に和太鼓を習い始めた。九九年に「木下節生太鼓グループ」を設立。プロの太鼓グループである「聖伯響座」(現・和太鼓「生」)も結成。数々のパーカッショングループとも共演している革新的な太鼓グループだ。
木下さんが作曲した「タイコ・デ・サンバ」は、〇四年に長野県で行われた世界打ち比べコンテストの中でベスト十曲に選ばれ、サンバ関係者からも高い評価を受けている。
二十一日、案内に来社した木下さん(40)と岩本光恵さん(38、一世)は「サンバの国の夢の舞台に出演できることに大きな責任と刺激を感じる」「太鼓を通してどのように日本を表現するか楽しみでわくわくする」と笑顔で話していた。
同サンバ校の登場は初日(二月一日)の三番目。時間は二日をまわった午前〇時から二時ごろになると予想される。