ニッケイ新聞 2008年1月25日付け
「一世が来て、二世になったくらいでいい」という考え方があってもいいが、これが百周年協会発行の「移民小史」ではあまりに乱暴に過ぎる。
執筆者の醍醐麻沙夫氏は六〇年に来伯、六八年のオール読物新人賞後も多くの作品を発表。コロニアが誇る知識人として知られるだけに、その歴史認識に触れ、意外だったし、驚きもした。
醍醐氏は「批判は甘んじて受ける」と誤りを認め、最終的な責任がある百周年協会も刷り直すことを検討している。
今年は各県が慶祝団を組むほか、個人的に訪れる人も多い。移民を除いて、これほど多くの日本人がブラジルを訪れることはないのではないか。
さすがに文章は読み易いものだったし、万人に親しめるものだ。それだけに史実のしっかりしたものを配って欲しい。事実は小説よりも〃貴〃なり、などというつもりはないが。 (剛)