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開港宣言から200年=可能性秘めるも効率化が課題

ニッケイ新聞 2008年1月29日付け

 ポルトガル王室のブラジル上陸から一週間後の一八〇八年一月二十八日に、時の摂政ドン・ジョアン六世が「すべての友好的な国との通商を指揮するためにブラジルの港を開く」との開港宣言を発表してから二〇〇年。リオでは当時の船を模ったレプリカを含む船隊が港内をめぐり、開港二〇〇年を祝ったことなどを二十八日付けエスタード紙が伝えた。一月二十八日の開港宣言は、ブラジルが世界経済の動きに中に身を投じていく第一歩だったといえる。
 国内総生産(GDP)では世界一〇位のブラジルは、貿易実績では、全世界の商取引の一・一四%を占めるのみで、二四位。何とか二〇一〇年までに一・二五%にまで高めることが現時点での目標であるが、様々な意味で大きく飛躍する可能性を秘めながら、足踏みを続けるブラジル貿易の問題の一端は港にあると指摘されている。
 開港宣言は、通商開始と共に、開かれた国となることを宣言したと考えたいのだが、ブラジルの輸入関税は米国が四%なのに対し、一四%と相当高い。また、保護貿易政策が取られていた影響で、まだまだ開国度は低いと指摘されている。
 また、港の効率改善も課題で、港の近代化、効率化が緊急課題となっている。
 ブラジル貿易の足かせとなっているものの一つは、コンテナ輸出に要する平均日数。書類作成、審査などに一四日、港内の作業などに四日かかるという。最も効率の良いエトニアは三日。もしも米国(九日)なみの日数で荷物が取り扱われるならば、年間五億六〇〇万ドルが節約できるという。
 この港内作業については、大型コンテナ船が接岸できるよう、浚渫作業を行うことが政府の開発計画にも盛り込まれている。中型、小型船しか接岸できなければ効率は落ちるし、大型船は接岸できず、他の船でピストン輸送をしたり、接岸できる部分が空くまで何日も待つケースもある。
 また、港内の作業機械の近代化も大きな要因。グアルジャ市のコンテナ専用ターミナルでは近代化により、貨物船一隻当たりの平均着岸時間はわずか一二時間。取扱量が一九九三年の三二〇〇万トンから昨年の八二〇〇万トンに増え、将来は年一億二〇〇〇万トンが目標というサントス港のように、民営化による近代化に成功した例もある。サントスの取扱量は国外貿易の二六%に及ぶ。
 昨年の輸出入の実績は輸出一六〇六億ドル、輸入一二〇六億ドル。総額二八一二億ドルの九五%を扱った海洋貿易の節目の年が祝われたことだが、ブラジルの港が名実ともに開かれ、さらに発展していくことが望まれている。