ニッケイ新聞 2008年2月1日付け
昨年のカーニバルには州道での事故が一三八四件と、二〇〇六年のカーニバルの八・五%増となったサンパウロ州。同時期の死者は、九三三人で〇六年の二〇%増とさらに数値が大きくなったことだが、セーラ知事は、同じ轍を踏むまいと、事故防止対策を講じた。
その一つは三十日フォーリャ紙に報じられた呼気中のアルコール度検査。二月一日から二日にかけ、カステロ・ブランコ、ラポーゾ・タバーレスで一二〇〇個のテスト用キットが配られる。キットはサンパウロ市とイタペヴィとで配布。ただし、これは飲酒運転に対する啓蒙用。
実践用の対策は、通常の一五〇%増にあたる二二〇〇人の道路警察官配備と、バイクの走行規制強化。
バイクの事故による死者は、バイクの増加率以上の割合で増えている。サンパウロ州の場合、二〇〇二年から〇六年でバイクの台数は七二%増え、二八〇万台となったが、事故は八三%も増加。二〇〇六年だけを見ると、全国で死者の出た交通事故の二五%はバイクがらみである。また、昨年のカーニバルでは〇六年に比べ州道でのバイクの事故が三二・五%増えている。
このため、セーラ知事は、バイクの走行について、取締りを強化する。三十一日の伯字紙によると、具体的には、車両と車両の間を走ることを禁止。また、右側からの追い越し禁止、車間距離と横幅を十分取ること、危険運転禁止も、取締まり項目に挙げられている。
交通事故減少を目指したいのは政府も同じで、三十一日には交通違反の罰金を最低六〇%引き上げる罰金規定を発表。交通事故死者は毎年四万人をくだらないが、二〇〇七年中の国道の交通事故死者は六八四〇人(前年比一〇%増)、負傷者が二〇万人で、障害が残ったりすることも多い。交通事故による経済的負担は全国では五〇億レアルにも上っている。
いずれにしても、最悪の記録といわれたクリスマスの記録を塗り替えることはあってはならない。学校の休暇の最後とカーニバルが重なり、その他の地域でも警官の増員などの処置を施すという。