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サンパウロ州=治安改善の兆し=犯罪15種中11種が減少=被害トップの盗みは増加=携帯の盗難品が活況

ニッケイ新聞 2008年2月2日付け

 サンパウロ州保安局が発表した十五種類の犯罪のうち、昨年は十一種類が前年(二〇〇六年)より軒並み減少し、治安改善の兆しを見せた。それらの中には誘拐(マイナス五八%)、銀行強盗(マイナス三五%)、凶悪殺人(マイナス一九%)、強盗殺人(マイナス一八%)などが含まれている。こうして一般犯罪が減少して治安が改善されているような兆候を見せているにもかかわらず、歴代の被害届のチャンピオンの「盗み」が減少せずに、相変わらず被害届が多く、保安局の頭痛の種となっている。つまり一般犯罪は減少したが、盗みは増えたことになる。
 昨年の盗みは二一万七二四件の被害届が出され、前年(二〇〇六年)比の一・八%増となった。このうちの半数の十万四九五一件が都心部で発生し、前年二・八%の増加を見た。
 いっぽうで強盗殺人事件が、サンパウロ州で二一八件、サンパウロ市内で四二件となり、一九九五年に統計が取られて以来の最低記録を樹立した。
 凶悪殺人事件も減少の兆候となって表われている。サンパウロ市内では二〇〇〇年に五三二七件だったのが、昨年は一五三八件と七一%の減少となった。
 こうした中で盗みの中心となっているのが携帯電話で、サンパウロ市サンタ・イフィジェニア陸橋の付近では、盗み市場が立つ有様。二〇〇〇年から昨年までの間に盗品が一二〇〇%に増えたとされており、昨年の盗品は二万九二六二台に及んだ。盗品市場では八〇レアルから四〇〇レアルが相場となっている。