ニッケイ新聞 2008年2月2日付け
ブラジル農業拓殖協同組合中央会(近藤四郎会長)とJICAが主催する第八回日系農協活性化セミナーの分科討論会が一月二十三日、サンパウロ市内の日系ホテルで開催され、「農協の永続について」を統一テーマに話し合いが行われた。ブラジルやパラグァイ各地の農協関係者など、約二十五人が三グループにわかれて参加した。
第一分科会のテーマは「後継者問題と新しい経営方法」。報告では金銭的な問題を踏まえながらも、「子ども達が農業を好きになるよう働きかけること」「後継者がいなくても働ける限りは自分達が農業を続ける」といった意見がだされた。コンドミニオ方式として、必要な農業機材を他の経営者と共有することには賛成との意見が占めた。
第二分科会は「加工・流通対策の推進」をテーマに討論。加工事業を起こす場合などの資金面の調達方法について、組合や金融機関の出資金を頼ると報告。パラグァイの日系移住地などでは、パラグァイ政府に対する日本政府からの農業開発基金を借り入れる形でおこなっているとした。
「農協規模と出資金」をテーマにした第三部会では、農業経営の難しさをあげて、新組合員の受け入れについて討論がなされた。その結果、「新しい組合員を入れるよりも組合員一人あたりのメリットをアップさせ、農協の規模拡大を図ることが先決」と考えが一致したと報告。
あわせて組合入会に必要な出資金を各農協が例をあげ、サンジョアキン農協は六千レアル、カッポン・ボニート農協が千レアル、コッパスール農協が最低給料の二倍、パラグァイのイグアスー農協は二百ドルほどと紹介された。イグアスー農協では「二百ドルでは農協の資金の積み立てが出来ず、施設の増設は無理」と説明された。