ニッケイ新聞 2008年2月2日付け
ブラジル郵政省が発行を予定している百周年記念切手。デザインの最終的な詰めに入り、先日関係者が図案を百周年協会に持参した。
偉い先生方が「オッチモ!」と賞賛しているところに、通りかかった某氏。気まぐれにひょいと覗くと、何と笠戸丸が後ろ向きに波を切って進んでいたという。
十四番埠頭に停泊している唯一の写真を基にしたのだろうが、百周年に最初の移民船が逆戻り―というのは、全てを否定するようなひどいブラックユーモアだ。
先般の「ブラジル日本移民小史」同様、百周年協会のチェック機能のなさが、またもや明らかになった形だが、これだけポカが続くとため息ばかりで息切れしそうだ。
「教えなきゃよかった。切手や紙幣の間違いは後に価値が出るんですよ」と某氏は笑いながらも「全くねえ…」とぼやくことしきり。 (剛)