貿易収支減少に政府警戒=輸入の伸びが輸出を凌駕
ニッケイ新聞 2008年2月8日付け
表面的には肯定的な発言を繰り返す政府も、このところの貿易収支の減少に危機感を抱き始めていることが五日付けエスタード紙に報じられた。
昨年来、ドル安などで輸入が急速に伸び、貿易収支が減少傾向にあったことは本紙でも何度か触れてきたが、この傾向は今年も続いており、一月中も、輸出が二〇・九%の伸びであるのに対し、輸入が四五・六%の伸び。輸入が急速に伸び続けているのに、輸出の伸び率低下が政府にとって警鐘となっている。
政府としては、金融暫定税(CPMF)が廃止されたため、輸出促進のための投資は中断した状態で、中期的な対策しか取れないが、米国発の国際不況による世界経済の冷え込みも輸出入の動きと関連していると言う。
政府は当初、世界貿易への参加率を現在の一・一%から一・三%まで引き上げたいとしていたが、国際景気の不透明感により、達成はより困難になったと経済担当者は見ている。
なお、同日のフォーリャ紙によると、米国への輸出は年々減少傾向にあり、工業界は早急の対策が必要。その他の、伝統的な交易国への輸出についても見直しが必要になっていると専門家は分析している。
一方、中国、ベネズエラ、ロシアなど、発展途上国への輸出は順調に伸びてきており、ブラジルの市場開拓は成功しているといえる。二〇〇五年から二〇〇七年にかけてのブラジルの輸出を見ると、全体の伸び率は三五・四九%だが、中東向けは四九・二二%、アフリカ向け四三・四二%、東南アジア向け四一・〇四%、ラ米向け三五・六四%の伸びとなっている。
先進国の自国産業保護政策で狭められた扉に固執せず、途上国の必要に応える形のコモディティー輸出が、国際的な高値との相乗効果で底支えとなっている。途上国の経済力次第で伸び率も頭打ちとなる可能性はあるものの、これらの国は障害も少ないと専門家は見ている。