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東西南北

ニッケイ新聞 2008年2月8日付け

 サンパウロ市カーニバルで優勝したバイ・バイのメンバーで女優のヴァウキリアさん。笑顔で踊りきった彼女が四日前に集中治療室(UTI)に入院していたなどと誰が思ったことだろう。筋肉痛を訴えた彼女に医者が処方した注射薬に対するアレルギーで一二時間UTIに入院した彼女は、代理もおらず、衣装も出来た状態の中、痛みを押し隠してパレードに参加し、踊りきった。今夜の特別パレードでもその顔には飛び切りの笑みが溢れることだろう。
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 カーニバル中は、車で寝ていた子供が起きて泣き出したことも知らずに踊りに夢中になり、警察で油を絞られた母親も出たりしたが、取り返しのつかないのは命を失った人々。サンパウロ州道の事故死者は最終的に四五人となり、昨年同期の七%増し。取り締まりの警察官も増やし、罰金をかけられた人も増えたが、それでも事故の増加に歯止めはかけきれなかった。
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 カーニバルに乱交はつきものという観念はいつから出たのか。実際にはカーニバルのパーティーと性感染症の患者との相関はないとのデータが出ているが、レシフェで避妊薬が配布された他、相当数のコンドームの配布も行われた。カトリック司教会ではこれまでになく強い姿勢で妊娠中絶反対を表明している。
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 大雨の被害の続くミナス州では六日にも家屋倒壊で二人が死亡し、一〇月一日からの雨による水害死亡者は一〇人に。南東部と中西部の貯水池はこの雨で水位が上昇し、大停電の可能性は減ったというが、貯水池や畑の上だけ降るというのは無理なよう。全国的な降雨量にもむらがあり、北東伯での電力不足は解消されず、他の地域からの送電が続いている。