ニッケイ新聞 2008年2月9日付け
中国から輸入したギョ―ザ(餃子)による中毒患者が800人を超え1000人に近い。食べた後に下痢や嘔吐で苦しむ人は千葉や兵庫県に及び北海道と福島にも広がる。検査したところ殺虫剤メタミドホスと福島ではジクロルボスが検出され大騒ぎになっている。最初、日本では中国の生産工場の天洋食品で混入されたの疑いを強くしたが、その後の調査で同工場の衛生状態は良好であり、この容疑は薄らいでいる▼従って―今のところ誰が何処で毒物を入れたのかは不明である。だが、食べ物へ猛毒であり捜索を強化したい。中国政府も事態を重く見て高官を日本に派遣し、日本も調査団を送り製造工程や輸送について調べたりしている。この結果、天洋食品への疑いは薄くなったし輸送中の混入も難しいの観点になったようだし、中国側の見解では「反政府派などの犯人が毒を入れたのではないか」としている▼この事件は人的な被害が大きいので日本の警察も全力を上げているし、中国の公安当局も本格的な捜査に乗り出しているけれども、まだ真相の究明には至っていない。日本での混入説もあるし、謎だけが膨らみ疑問は広がる一方なのである。ただ、騒ぎが広がったのは、これまでも中国から輸入したネギやほうれん草を始めうなぎの蒲焼などの食品に残存農薬が多かったの背景もある▼つまり日本の食生活の自給率は40%に過ぎない事実も問題なのだ。天ぷら蕎麦を食べても、日本の食材は出汁の水だけで海老も小麦粉も醤油の大豆も輸入品という哀しい現実にもっと目を向けるべきだし、毒餃子も―この難問。の一環と見たい。(遯)