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公社の投資が過去最大=PBだけで89,5%占める=税収増を見込んで苦肉の策=国運を賭ける大油田のロマン

ニッケイ新聞 2008年2月12日付け

 予算管理省は九日、二〇〇七年度における連邦政府系公社による投資が三百九十九億七千万レアルに達し、前年比二一・八%増で過去最大と発表した。昨年十二月の時点でペトロブラス(PB)・グループ傘下二十三社の投資額だけでも、前年同期比の二六・三%増で三百四十七億三千万レアルに達し、全投資総額の八九・五%を占めたと十一日付けエスタード紙が報じた。また電力危機回避のため投資優先とされたエレトロブラスのように、三十一億一千万レアルで前年比二・八%減というのもある。
 総投資額三百九十九億七千万レアルの内訳は、国内が二百九十三億二千万レアル、国外が百六億五千万レアル。生産部門の公社総数六十九社で三百八十八億二千万レアル、金融部門九社が十一億五千万レアルとなっている。
 特に公社の中でけん引車となって気を吐いたのは、ペトロブラス・グループである。同グループが投資に全力投球を行った陰に、政府のペトロブラス営業黒字削減の指示があった。年初に黒字百二十億八千万レアル(国内総生産GDPの〇・四七%)を課せられたが、その後解除された。
 ペトロブラスの営業益減は決算が終わらないと不明だが、三十億レアル程度と見られる。これは国税庁が税収増を見込んで、公社の大幅な投資拡張を容認したもののようだ。
 マンテガ財務相はペトロブラスの増資と財政黒字の関係を分析し、同グループに対し全力投球のサインを出した。財務省には小切手税(CPMF)の廃止による税収減でペトロブラスへの肩入れは苦しかった。
 ペトロブラスを沸かせたのは、トゥッピー鉱床の発見といえそうだ。同グループは二〇一一年までに、新油田開発で一千百二十億レアルの投資計画を立てている。これまでの油田に比べ海底深く掘り下げるため、巨額な資金と大油田のロマンは尽きない。
 一方、電力危機回避でその活躍を期待されるエレトロブラス・グループの十六社は、投資予算計画があるものの施工が遅れた。フルナス・セントライスは工事計画の六五%、エレトロブラスは五六・六%を達成するに留まった。