ニッケイ新聞 2008年2月12日付け
カーニバル休暇の国道での交通事故死者が減ったと喜んだ矢先の九日の土曜日にエスピリト・サント州のバスの事故で六人死亡、三三人負傷。南リオ・グランデ州(RS)でアルゼンチンナンバーの車二台の事故で二人死亡。十日にはサンパウロ州とサンタカタリーナ州、RSで大事故が五件。少なくとも一五人死亡、一四人負傷。ハンドルを握る人は責任重大だ。
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サンパウロ州では九日にサンパウロ州奥地で落雷による死者二人。リオ・プレット市でも集中豪雨により街の中心を走る道路が川と化したりした。十日にもカンピーナス市で倒木など、連日、水害の報が続く。人間がいくら知恵を誇っても、自然の力にはかなわない。サンパウロ州海岸部は大雨で下水が流れ込み、半分は海水浴不適。
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十日未明にリオ市コパカバーナの十一階建てのアパートで火事。八歳の男の子の泣き叫ぶ声に目覚めた祖母らが助けようとしたが火と煙で阻まれ、鎮火するまで近づけなかった。当初、遺体が見つからず、男児は逃げおおせたかに思われたが、その後黒焦げになった遺体が見つかった。同日午後、埋葬された男児の棺には大好きだったサッカーチームのヴァスコの旗が飾られたが、打ちひしがれた父親は葬儀にも参列できなかった。
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サンパウロ市で軍警大佐が殺された時の弾の銃痕と、昨年起きた大量殺人の時の銃痕が一致。背後には十人を超える軍警の殺人集団ありとの報が庶民の背筋を冷たくさせる。ガリューリョス市では九日、三人を殺害した軍警がリンチに遭い死亡というが、不審な点があり、警察で改めて現場検証などを行っている。三人殺害された事件だが、保安当局ではまだ大量殺人としては扱っていない。