ニッケイ新聞 2008年2月15日付け
タンゴ歌手冴木杏奈(さえきあんな)さんが、日本から来伯、三月九日、サンパウロ市のSESCヴィラ・マリアナで公演する。日本ブラジル交流年実行委員会の公認事業の一つ、歌手自身のデビュー二十周年記念ツアーの一環でもある。アルゼンチン・タンゴや日本の歌曲、ドイツ民謡のタンゴにアレンジしたものを、親しみをこめて、スペイン語と日本語でブラジルのタンゴ・ファンに披露するという。
下準備に来聖したマネージャーの津元美紀江さん(株・ムーン・ミュージック、東京銀座)によれば、冴木さんは、欧米、およびアルゼンチンでの公演歴がきわめて豊富、ベルリン公演ではタンゴに編曲された「ローレライ」を歌った。昨年六月、ニューヨークのカーネギーホールの舞台に立ったが、これは二度目。「暗いイメージがない。ドラマチックだ」という評価を得た。アルゼンチンでは、プロの評論家の間でも、公演のたびに「スペイン語でも日本語でも響きがいい。表現力もオリジナル性も豊か」と好評である。
外国の聴衆からは「アンナの歌を聴いたあとはぐっすり眠れる」「子育てを終えたあと無気力になっていたが、アンナの歌に元気をもらった」などの感想があるそうだ。タンゴの日本語への訳詞は冴木さん自身が行っている。
冴木さんは、北海道旭川市出身、歌手デビュー前にミス札幌に選出された。一六八センチの長身で、美形だ。現在、国際的に活動をしていることに着目され、旭川の観光大使をつとめている。