ニッケイ新聞 2008年2月16日付け
ブラジル山形県人会(荒木克弥会長)の第五十五回定期総会が、十日午後二時から同県人会会館で行われた。グァタパラ、モジ、カンピーナス、カンポ・グランデ、ロンドリーナなどから六十人ほどが参加した。荒木会長は「粛々と進めていきます」と開会の挨拶をしたが、会長改選を巡って波乱含みとなった。
まずは二〇〇七年度事業報告ならびに決算報告、〇八年度事業計画案・予算案がそれぞれ発表され、その場で承認。
会費は現行の五十レアルのまま。来年以降に再審議されることになった。また、現在五百六十六人の会員数を誇る山形県人会だが、会費納入者は約半数の三百人ほど。
なかでもベレン支部会員は約六十人いるが会費を納めている人はほとんどいないのが現状。会としては、年四回発行する会報を送り、ベレン支部から母県への研修生も送っているため、会費を強制的に徴収するかどうか審議が行われたが、結論は先送りされた。
各支部長に各地の状況を問うと「会費を実際に請求できないような人もいる」「近年、会費が五十で何ができる。タバコ代にもならん」と様々な意見が出た。参加者からは「会費を払っている人がばかをみることがないように」との意見も出された。
知事来伯のもとで創立五十五周年の記念式典を計画しており、六月二十二日に開催することが提案され、その場で承認された。
役員選挙では当初、立候補がいなかったために、推薦で第一副会長を務める国井精さんの名前が、まず候補にあがった。
ところが、他の会員から「選挙で勝てば荒木会長は続投するのか」との質問が出された。一年ほど前から「もうやらない」と辞意表明していた荒木会長だったが「皆さんが推してくれるなら続ける」と表明。
これに対し、国井副会長は「十年も一緒にやってきた人と争いたくない。争うなら辞退させてもらう」と立候補を固辞した。
参加者からも「国井さんは出馬を撤回したのだから、もう選挙を行う必要はないのでは」との意見が出され、結果的に荒木会長が六期目の続投を決めた。
荒木会長は再選のあいさつで「(式典がある)六月まではしっかりと行う」と表明した。
一方、国井副会長は「シコリはない」と強調しつつも、「会長の『後を頼みます』って言葉が欲しかった」と残念そうにもらした。「今後は一会員の立場に戻る」と語り、県人会は一切手伝わないとの意思を固めたという。
荒木会長は「向こうが辞退したんだから、こっちは何も問題ないよ」との様子だったが、国井副会長を支持していたある会員からは「あれだけ何度も辞めるって言っていたのに、今になって続投するなんて…」との不満の声も聞かれた。
新役員は次の通り(敬称略)。会長=荒木克弥、副会長=渡辺史朗、斎藤広、監査=曽我部威、荻島フク、上村誠。もう一人の副会長及び、書記、会計は理事会で決定。