ニッケイ新聞 2008年2月19日付け
「もう一年日本を学ぼう」――。サンパウロ州教育局(マリア・ギマランエス・カストロ局長)が行なっている日本文化教育プログラム「ビバ・ジャポン(VIVA JAPAO)」が一年延長され、今年末まで実施されることが決まった。参加校からの好感触に加え、百近い関連プロジェクトを予定するサンパウロ州政府からの要請を受けたもの。今月十三日にあった州政府による日本移民百周年の開幕式典でも発表された。同プログラムのコーディネーター日野寛幸さん(61)は、「日本を学ぶだけでなく、両国の将来を担う人材を育てたい」と張り切っている。
昨年度の「ビバ・ジャポン」は、四百七十二校(プロジェクト数五百二十一)が申請、三百二十九校(三百五十)が参加、独自の企画で日本や日本文化を学んだ。ニッポンをテーマに、文化祭も催され、生徒らの積極的な取り組みは、本紙も報道を行なってきた。
現在参加校の報告書に目を通しているという日野寛幸コーディネーターは、「各校ともに成果があったようで、かなりの好評」と手応えを話す。
継続する学校も多いようだが、教育局では、新規参加校を現在募集しているという。
前年、「ビバ・ジャポン」実施には、百十万レアルを消化、「今年は百四十万レアルほどの予算を申請している」(日野コーディネーター)。
今年は、参加生徒らによる作文コンテストが催される。賞品には、国際交流基金サンパウロ日本文化センターが携帯用デジタル音楽プレーヤー(iPod)を十二台用意。なお、インスティトゥート・パウロ・コバヤシ(IPK)が図画のコンテストに協力するようだ。
賞品の引渡し、及び発表セレモニーは、サンパウロ市アニェンビーで六月に行なわれる「日本文化週間」の期間中に行なわれる予定だ。
「ビバ・ジャポン」の発案者である日野コーディネーターは、今回の延長を喜びながらも、日本の政府関係機関からの協力がないことを残念がる。
「百周年は両国で祝うもの。ブラジルは盛り上がっているのに少々淋しい。将来を担う子供たちに日本を知ってもらうことは、長い目で見れば、人的投資」と話し、コロニア側からの協力も期待している。