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扶養家族のたがを締める=国税庁が洗い出し=重複源泉控除や架空親族を=IT申告で脱税防止緻密化

ニッケイ新聞 2008年2月20日付け

 国税庁は十八日、所得税(個人)の申告制度を変更し、特に十八歳以上の扶養家族についてはCPF(所得税申告)番号を明記させ、脱税防止に取り組む意向を明らかにした。これは複数の納税者が、同じ扶養家族で重複控除をしないためとされる。また申告をインターネットで行うよう、国税庁は用紙申告に制限規定を設けた。二〇〇八年度の申告プログラムは、三月三日からサイトを設置し、四月三十日に締め切る予定となっている。
 国税庁は、同じ扶養家族の重複控除や架空の家族をねつ造する脱税行為を取り締まることにした。昨年十二月三十一日までに満十八歳となった扶養家族は、CPF番号を明記することを義務付けた。
 国税庁は、申告制度の変更を直前でなく昨年末に発表するべきであった。昨年は二十一歳以上の扶養家族をあぶり出したことで、控除額が三十六億レアル減った。それまで扶養家族としてのうのうとしていた脛かじり息子が、二百四十万人放り出された。
 また今回の申告には、昨年申告した際の受理番号をも明記する。受理番号を失った場合は、国税庁支部へ出頭するよう指示した。受理番号は、インターネットや電話による問い合わせに応じないという。
 申告期間は、五十九日間となった。申告はインターネットの他に、ファイルでの申告をブラジル銀行や連邦カイシャ・エコノミカで受け付ける。用紙申告は、三・五〇レアル払えば郵送もできる。申告遅れの罰金は、百六十五レアル七四センターヴォス。
 申告用紙の使用制限も、誤記防止に大きな効果がある。所得税を分割払い(カルネ・レオン)にする自由業者や個人経営者、年間所得が十万レアル以上の者、証券取引をした者、自動車または不動産を売却した者には用紙申告を禁じ、インターネットまたはファイル申告を義務付けた。
 申告制度の変更は、次のケースにも厳しく及ぶ。扶養家族が何らかの収入がある場合。扶養家族が自動車や不動産を所有する場合。企業共営者の場合。政治献金をした場合。立候補した場合。これだけで一・三%が、脱税の網にかかる。