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サンパウロ市長=計画案の提出義務付け=誰が最初の評価対象者?=下馬評はアウキミンかマルタ

ニッケイ新聞 2008年2月21日付け

 政治家の評価は、よい、悪い、普通といった段階評価が多いが、サンパウロ市の市長は、就任後九〇日以内に、具体的な市政目標を指数まで決めて提出しなくてはならなくなった。これは十九日の市議会で満場一致で採択された「目標計画(プラノ・デ・メッタス)」によるもので、市長は、半年毎に目標達成率を発表しなくてはならず、市長が目標を達成できないでいる場合、市民なら誰でも、市長に対する抗議を申し入れることができることなどが二十日付け伯字紙に報じられた。
 この目標計画を最初に課せられるのは誰かも興味の湧くところだが、十七日フォーリャ紙に発表された聞き取り調査では、前サンパウロ州知事でブラジル社会民主党(PSDB)のアウキミン氏が、元サンパウロ市長で観光大臣、労働党(PT)のマルタ氏をリードしている。
 十四日に市民一〇九二人に聞いたもので、カサビ現市長(民主党、DEM)やマルフ元市長(進歩党、PP)、エルンジーナ元市長(社会党、PSB)らも含めた場合、アウキミン氏二九%、マルタ氏二五%、カサビ氏一二%、マルフ氏一〇%、エルンジーナ氏八%という結果。集計誤差は三ポイントなので、アウキミン氏とマルタ氏の票は拮抗していると見る人もいる。
 正式立候補者が出揃っていないため、様々な組合せでの集計もされているが、アウキミン氏抜きなら、マルタ氏が三二%、マルタ氏抜きなら、アウキミン氏が三三%、カサビ氏抜きならアウキミン氏三四%、マルタ氏二八%と、いずれの場合もアウキミン氏優勢で、カサビ氏の勝算は薄い。
 決選投票については、アウキミン氏対マルタ氏では、五二%対四〇%でアウキミン氏、以下、マルタ氏対カサビ氏では五〇%対三九%、アウキミン氏対カサビ氏では五九%対二六%。
 アウキミン氏については、サンパウロ市ではPSDBとDEMが協力してカサビ氏再選を目指す前提であったため、立候補すべきではないとの声もあったが、アウキミン氏の立候補支持者であるアニーバル下院議員がPSDB党首となったこともあり、セーラサンパウロ州知事も「本人が決心しさえすれば、サンパウロ市長候補はアウキミン氏」と発言。PT執行部で支持者がはずされたマルタ陣営に比べ、追い風での立候補になりそうだ。
 選挙まで八カ月足らず。誰が立候補し、誰が目標計画発表を決めた市議会や市民の最初の評価対象者となるのか。市民も心した一票を求められている。