ニッケイ新聞 2008年2月22日付け
サンパウロ市証券取引所(Bovespa)と先物商品取引所(BM&F)は二十日、合併交渉中であると二十一日付けエスタード紙を通じて報じた。合併が実現すると、ニューヨーク証券取引所を追い抜きシカゴ商業取引所に次ぐ世界第二位の規模となり、毎日の平均取引高は約二百億ドルとなる。この両取引所が別々で存在すると、海外の証券取引所で引き起こされた金融危機の余波をもろに被る。シカゴ取引所はBM&Fの一〇%を支配し、ニューヨーク証券取引所はBovespaの一%を購入した。
資本市場のグローバル化で、取引所の相互株保有システムは、益々重要となってきた。両取引所の合併により、新しい金融商品の取引に拍車がかかり、中小証券取引所の拡大や外資誘致にも有利となりそうだ。
両取引所が十九日夜、合併検討中であることを明らかにした。株は合併期待でBovespaが一〇・一九%、BM&Fが一五・四一%と一挙に値上がりした。二十日だけで両取引所株の取引高は、四億三千百七十万レアルに達し、Bovespa総取引高の七・二%を動かした。
これは資本市場のAmBev的合併といわれ、これから市場でAmBevの道を歩むのも時間の問題とされる。これからは資本市場の再編が進み、世界で五ないし六証券取引所に整理される予測だ。合併した両取引所はその際、ラテン・アメリカ証券取引所として生き残るらしい。
両取引所の合併は、中小取引所の株公開を促し、一九八七年の様相を呈するとされる。現在世界の十五大取引所のうち、十二取引所が株を公開し、ほどほどの成功を収めた。二〇〇六年三月にニューヨーク証券取引所(Nyse)がアルキペラゴ金融ソフト会社と合併した。シカゴ、ドイツ、ロンドン証券取引所も合併と株公開を行った。
Bovespaは二〇〇〇年、リオ証券取引所を買収。続いてリオBM&Fの買収にも取り掛かり、国内の再編に弾みをつけた。ブラジルは、取引状況を瞬時に公開し、透明性の高い金融取引ソフトを開発した。ブラジルの金融取引ITシステムは、他国よりも一歩先んじていることがブラジルの強味らしい。