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CESPを民営化=電力危機を民活で解決図る

ニッケイ新聞 2008年2月22日付け

 サンパウロ州政府は二十日、国内で第三番目の規模を誇るCESP発電所を民営化することにした。入札は三月二十六日、売却基準価格は六十六億レアル。これまで州政府の民営化では、BANESPA(サンパウロ州立銀行)が最大とされ、CESPは電力業界の最大。
 しかし,電力危機が噂される今、国家電力庁(Aneel)から同発電所の稼動許可更新が交付されるか疑問視されている。時期的には、電気料金を値上げするチャンスである。ブラジルの工業地帯近くにある同発電所は、立地条件に恵まれている。
 サンパウロ州政府は国際市場で猛威を振るっている金融危機が、民営化に影響しないと見ている。同社株価への値下げ圧力は、無視することにした。この入札で七十億レアルが、州財政に入ると期待されている。
 CESPには、大小六つの発電所がある。二番目に稼動力のあるポルト・プリマベラ発電所は、二〇二八年まで稼動許可がある。他にはトレイス・イルモン発電所の許可が、二〇一一年の期限。ジュピア発電所は二〇一五年まで。
 即時稼動が可能なので、有利に売却が可能と見ている。サンパウロ州はメトロー(地下鉄)の株も公開し、電力問題から解放されたいらしい。電話の民営化で起きたような発電所の民営化が、電力に支障を来たさないための法令に引っかかる可能性があるからだ。
 電力関係の民営化は、CESPだけではない。ブラジリアナの経営権も、民営化を計画中だ。ブラジリアナの評価額は、百億レアル。エレトロパウロ配電会社とチエテ発電所、ウルグアイアナ火力発電所を抱える大世帯である。
 入札は、買い受け価格を書いて封筒に入れ提出する。入札結果は、広報で発表。外資系三社が、既に名乗りを挙げている。金融センターには、十二社が食指を動かしている。
 CESPの売却資金は、州道の整備や地下鉄とCPTM(都電公社)の乗り換えコネクション、上下水道などのインフラへ投入するため急いでいる。