ニッケイ新聞 2008年2月23日付け
【化学部会・松尾新一郎部会長】「一番地味なところで、他の部会から比べると値段も安い」と冒頭で話した。化学部会の中には十一部門あり、プラスチック材樹皮用着色剤、接着剤、医薬、高級化粧品、筆記具、ロジン・テレビン油、農薬、飼料添加物、家庭防疫薬、商社、香料・食品添加剤がある。
高級化粧品は〇八年の利益は、今年大化けを期待して前年度比八一%の増加を見込んでいる。ブラジルはアメリカ、日本に次いで世界第三の消費国でもあることを報告。
ロジン・テレビン油は、レアル高で輸出が四割減少し、建設工事の遅れで新製品販売ができなかったことも影響し、予想以下になり、年間計画は達成できなかった。〇八年は売上げ、利益に関しては大半増加を狙っている。十一部門の約半分は、〇七年を予想通りと回答している。〇八年の展望は売上げ、利益共に増加を予測している。
【機械金属部会・嶋末繁部会長】製鉄鋼材部門で好調な自動車生産、好景気に支えられ、PAC需要において前年比の一八%増と異例の伸びを記録。また、〇八年の展望は昨年一千百七十万トンで新記録を樹立したのだが、その後順調に成長し、本年は前年比で九%の伸びが予想され、記録更新が確実視されている。
電力は一一年に電力危機の見通し。砂糖キビのカスなどを使用してのバイオマス発電が微力ながら活発化してきているので、バイオマス電力が今後も増えていく予想。
パルプの国際価格が一トンあたり約六百から七百ドル。一方、生産コストはアメリカや北欧で一トンあたり五百ドルほどだが、ブラジルは二百五十ドルと、半額になるのでブラジルが有利、と見ている。
機械金属部会では、ほとんどが高成長を果たし、〇八年の展望は明るい見通し。
【自動車部会・峯川尚部会長】四輪車、二輪車ともに〇七年当初の予想を大幅に上回った。四輪車は〇七年の生産台数は約二百九十七万台、販売実績は一九九七年の百九十四万台を大幅に更新し、二百四十六万台といずれも過去最高を記録。また、二輪車販売も国内は百六十万台に達し、前年比約二六%の伸び。今後約三年の間に生産能力拡大を目指して、莫大な投資計画を行う。
〇八年は国内販売が依然好調で〇七年を上回る見通しで、輸出は逆風で昨年度を下回ると予測されている。支払い形態は好景気にも支えられ、リースとクレジットが大半。売上げ向上のため、在庫状況が品薄になっていることが懸念されている。部品関連も国内販売が伸びていることが影響して、〇七年も増加が予想されている。〇八年も引続き増加が見込まれている。 (つづく)