ニッケイ新聞 2008年2月26日付け
EUへの牛肉輸出問題で、EUから三〇〇農場と指定されながら、二六八一件のリストを送ったブラジル。その後、五二三件のリストを送って拒否されたと思ったら、二十二日には二〇〇にもならない数のリストを送り直した。昨日からはEUの調査団がやってきて、リストに記載された農場の実態を見て回ることになっている。EUでは、生鮮肉が足りないため、補う意味の加工肉の輸入が増えたともいうが、リスト作成のための国内選考基準が変わりすぎる。
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先週から雨で泣かされた大サンパウロ市圏。二十四日にも、前日が誕生日だったサンパウロ市北部の十四歳の少女が土砂崩れで死亡。一人娘を失って号泣する父親に、周りの人も慰めの言葉を失った。停電、洪水に国道封鎖など、週末も自然は猛威をふるった。
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事故などの際の緊急派遣要請に使う192番がイタズラ電話の標的にされ、昨年は全伯で四〇%、地域によっては七〇%の通話がイタズラ。イタズラ電話が急速に増えたため、性質の悪いものは警察にまわされるが、本当に必要な人が、電話がつながらないとあせることも。先週はイタズラ電話に付き合えと誘われた大学の新入生がそれを断り、先輩学生に暴行を受けたという事件もあった。
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中東のレバノンで、レバノン発行の偽造パスポートを使用したかどで十六日から拘留されていたブラジル人小児科医のモハマド・カッセン・オマイス氏。テロリストの疑いもかけられていたが、二十二日に自由の身に。ブラジル領事館によれば、パスポートの偽造も、偽造パスポートでシリアを訪問したのもいとこだったとのこと。レバノンの司法当局が本人は無罪だったと認めたという。