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大統領が村おこし=生活扶助の次は自立援助を
ニッケイ新聞 2008年2月27日付け
地方選を八カ月後に控えルーラ大統領は二十五日、農村部や低所得層の多い過疎地向け「生活改善プロジェクト」として百十三億レアルを投じる構想を発表した。農村電化運動として、さらに二百万世帯に電灯を点す計画だ。
大統領は国民の生活をつぶさに観察し、首都で過ごす時間を減らし地方遊説をひんぱんに行うと公約した。同プロジェクトは、農村部への投資として過去最大となる。全国の九百五十八市町村で学校建設と道路舗装、農産加工業への奨励と融資を行う。
「政府の生活扶助金は、国民を無気力にしたと農地占拠運動(MST)のステジレ氏から批判された。それで地方経済を興し、扶助金の無料配布から生産に参加させる考えだ。農村電化は、農産加工に動力として。道路舗装は、製品の搬送に。さらに指導者を派遣し、自助努力の指導を行う」と大統領はいう。
電気は殆ど行き渡ったが、まだ一千二百万人がランプの生活をしている。これまで政府はIBGE(地理統計院)のデータで計画を実施したが、現地調査をしたことがない。農村労働者を見ていると、ランプの生活をしている人が多数いるのが分かるはず。
サンパウロ州にも、ヴァーレ・ダ・リベイラやポンタウ・ダ・パラナパネーマのような文明から程遠い忘れられた過疎地がある。多くの住民が、生活扶助金で生活している。自助努力の話をすると、一斉に顔色を変える。扶助金をカットする考えはないが、富の再分配システムを立ち上げ扶助制度を終了する必要はある。
目的は貧困撲滅であって、選挙運動ではない。小心狭量な人間がいて、選挙の年に「生活改善プロジェクト」を掲げると、選挙法に引っかかるという。野党も選挙の年の宣撫耕作だとして最高裁へ訴えると息巻いている。