ニッケイ新聞 2008年2月27日付け
【信濃毎日新聞】異文化への理解を深める講座などを開いている長野県波田町の外国人支援ボランティア団体「波田国際交流クラブ」(中野一男代表)は来年度、交流会の定期開催などで活動の幅を広げていく。地元の人たちが外国人と触れ合う機会をさらに増やすのが狙いだ。暮らしに役立つ情報を外国人に提供するために町広報紙を翻訳する活動にも乗り出す。
二十四日には、外国人住民の集い「ふれあいランチパーティー」が町中央公民館であり、クラブ員も運営に参加した。あいさつした中野代表(55)は「来年度は多くのお年寄りや子どもが交流活動に参加するようにしたい」と述べて、来年度の計画を説明した。
中野代表によると、交流会は六月から計四回を予定。ブラジルや中国出身者から料理や文化を学ぶ。町高齢者クラブや育成会などにも参加を呼び掛ける。
町広報紙の翻訳は、広報紙の中から生活情報を取り上げ、ダイジェスト版として年三回発行する予定だ。県を通じて財団法人などから支援金を得られれば、外部委託でポルトガル語やタガログ語、中国語に訳す考えだ。平仮名なら読むことができる人もいることから、支援金を得られなかった場合はクラブ員が漢字にルビを振る。
この日のパーティーには、ブラジルやフィリピン、中国などの外国人約四十人が参加。松本市や安曇野市から訪れた人もいた。計約六十人が各国の料理を食べながら談笑した。クラブ員の川澄利枝子さん(55)は「外国人との共生は頭で考えるだけでなく、実際に触れ合うことが必要。そのための場をこれからもつくっていきたい」と話していた。