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江戸糸あやつり人形=結城孫三郎さんが会見=「日伯交流につながれば」

ニッケイ新聞 2008年2月27日付け

 【既報関連】去る十四日から、サントス、リオ、ブラジリアで開催されている江戸糸あやつり人形「結城座」のブラジル公演(国際交流基金サンパウロ日本文化センター主催)。サンパウロ公演に先立つ二十六日、会場のSESCコンソラソンで十二代目結城孫三郎さんが会見した。
 「結城座」からは今回、十四人が来伯。二十七、八両日にサンパウロ公演が行なわれるが、これまでの報道を通して既にチケットは売り切れとなっている。
 孫三郎さんは「今回の人形はシンプルな古さで、日本人がものに対してどのように考えているかが分かるようなものを選んで持ってきた」と話した。
 「人形を立たせるのに二年程、だいたい十年で一人前と言われている」と人形遣いの難しさを説明した後、「四歳の時から舞台に立っていて、今年で六十年間行っているけど、そんなにうまくない」と冗談を交えながら語った。
 日本古来の伝統文化を受け継いでいる糸あやつりは結城座のみ。そのため「希少価値ではなく、技法で観客を沸かせたい」と意気込みを語り、「ブラジル人は非常に(反応が)ストレートでやりやすい。これは、観客と一体になって行うものだから」と現在までの公演の感想を話した。
 そして公演に向け「ブラジルへ来る前は(観客に)日系人が多いと思っていたが、非日系人が非常に多いことに感心した。ブラジルへ来て苦労し、根付いた人々を少しでも癒せれば嬉しい。さらに今回の公演がこれからの日伯交流に繋がっていけば」と期待を表した。