ニッケイ新聞 2008年3月1日付け
リオデジャネイロ連邦警察は二十八日、リオ港コンテナー・ターミナルの警備員四人をペトロブラスの重要機密データ窃盗の容疑で拘束と二十九日付けフォーリャ紙が報じた。容疑者の自宅に隠してあった機器部品は押収され、容疑者の供述で産業スパイ説は葬られた。政府当局は当初、ツッピー油田に関心があるグループの教唆と見ていた。連警の発表によれば、容疑者はハードディスクを持ち出し、ペンドライブを売却したが回収できる見込みという。
ペトロブラスのライバル企業か外国政府による産業スパイ説は、容疑者の供述で葬られたようだ。連警は、盗品を受け取り販売したグループの洗い出しを急いでいる。
拘束された容疑者らは、同ポリポートの保全を担当するブリック・ログの警備員であった。盗んだハード・ディスク一個は解体され、ペンドライブを盗品販売人に手渡していた。
盗品販売人のルートをたぐれば、教唆の有無は分かるようだ。盗品は、容疑者四人の自宅へ隠されていた。容疑者らは当初、部品だけをひんぱんに盗み、ペトロブラスから疑いの目で見られなかった。
連警幹部は産業スパイ説を採ったが、捜査班は犯罪の手口からプロの犯行ではないと確信していたという。プロは証拠を残さない。鍵を外しっぱなしにしたり、コンテナーの中をかき回さない。
容疑者は盗品のマスコミ報道を聞いて、事態を知り驚いたらしい。連警は犯行の日、勤務した警備員全員も共犯の容疑で調べる。連警は容疑者の親族や友人、知人も捜査範囲に入れ、たまりを調べる。
事件が概ね解決したことでジェンロ法相は、州レベルの問題であり、ペトロブラスの守秘システムの欠陥であると締めくくった。政府は、関係者を集め最終結論を出すらしい。