ニッケイ新聞 2008年3月1日付け
〇六年六月に日系で初めて連邦高等裁判所判事に任命された上田雅三氏(65)にサンパウロ市議会から名誉市民証が贈られた。野村アウレリオサンパウロ市市議の推薦。受賞祝賀会が去る二月二十二日夜、サンパウロ市市議会八階サロンで開かれ、日系団体の代表者や検事、弁護士関係者など、約三百人が出席した。
冒頭挨拶したカサビサンパウロ市市長は、上田氏の輝かしい経歴と人柄を称え「ニューヨーク並みの経済規模があるサンパウロ市にとっても氏の存在は大きな誇りである」と賛辞を送った。
上田氏のいとこにあたる飯星ワルテル連邦議員は、同氏の母親シズエさんのエピソードなどを紹介した上で、「(上田氏は)日系社会にとって大きな誇り」と強調。「サンパウロ市民を代表しておめでとうと言いたい」と述べた。
来賓たちの祝辞後、ニッケイ新聞の取材に対し上田氏は「人生でこれほど嬉しいことはない。一生懸命に勉強するよう私にすすめた両親だけでなく、今日集まってくれた関係者に心から感謝したい」と話していた。
祝賀会の発起人となった野村市議は、同氏の人柄を「控え目な性格だが芯がある。社会的な問題を分析する能力も高い」と褒め称えていた。
授与セレモニー後、場所を移してカクテルパーティーがおこなわれた。上田氏らとともに、上原幸啓移民百周年協会理事長、松尾治同執行委員長、森口イナシオ援協会長らが壇上にたち、祝辞を述べていた。
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一九四二年十一月二十八日生まれ。サンパウロ州リンス市出身。サンパウロ大学法学部卒業、八八年修士号取得、九四年博士号取得。七〇年から七七年までサンパウロ州検察庁勤務。九三年から九五年までサンパウロ州高等裁判所判事補、九五年から〇二年までサンパウロ州民事控訴裁判所判事。サンパウロ州刑事控訴裁判所判事を経て〇四年十二月にサンパウロ州高等裁判所判事就任。著書多数。